浜田(島根)が終盤に反撃も序盤の失点が響き、下関国際(山口)に敗れて24年ぶりのベスト8入りはならなかった。

OBの梨田昌孝氏、ソフトバンクの和田毅投手らが観客席から見守った。その和田がエースだった98年度以来の8強を狙ったが、下関国際の強力打線に立ち上がりからのみ込まれた。

先発左腕の波田瑛介(2年)が「チームの足を引っ張ってしまった」。先頭打者にいきなり二塁打され、初回に2点を先制された。制球に苦しみ、3回まで毎回の6失点。75球も費やし、4回から森井空翔(3年)にマウンドを譲った。

悔しさをバットにこめた。先頭で迎えた7回、低いライナーで左翼席に運ぶ大会24号で、6回までわずか1安打に抑えられていたスコアボードに1点を刻んだ。さらに8回にも右翼越えの三塁打。「(本塁打)風に乗りました。自分はホームランバッターじゃないので。最後もしっかりヒットでよかったと思います」と爪痕は残した。

緩急で勝負するタイプだけに、制球を乱せば苦しくなる。同様のスタイルで、プロでも一流の実績を築く和田が目標という。「先輩の和田毅さんのような投手になりたいです。(甲子園のマウンドは)すごく人に見られて、相手のプレッシャーもあって自分の投球ができず、悔しさしかない。また戻ってきて、楽しんで野球ができるようにしたい」と誓った。

波田にはまだ来年がある。「次は自分が中心になる。お手本になるよう、練習から取り組んでいきたい。あと1カ月で秋季大会が始まる。時間もないので全力で取り組みたい。制球が安定しないとか課題は多い。だめなところを見つけて練習していきたい」。家田康大監督(36)も「先輩の雄姿を忘れることなく焼き付けてほしい。この経験を次に生かしてほしい」と期待を寄せた。

大会前に新型コロナウイルスの集団感染が判明。練習もできず、甲子園で野球ができるのかも見えない中で、1勝を飾った。家田監督は「いろんなことがありましたけど、(選手は)日に日にたくましくなった。逃げたくなる場面でも立ち向かっていった。それを見ることができたことが何よりうれしい。(コロナがあって)選手は精いっぱいやったと思うし、こういう措置をとってくれた関係者の方々に感謝です。野球をやれることだけでありがたかった」。大きな経験と悔しさを持って島根に帰り、来年へのスタートを切る。

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