下関国際(山口)がセンバツ優勝の大阪桐蔭に続き同準優勝の近江(滋賀)も破り、初の決勝進出を決めた。坂原秀尚監督(45)は「甲子園という大舞台での子どもたちの成長ぶりに、本当に驚いています。よく頑張りました」と、快進撃を続けるナインをたたえた。

山口県勢の決勝進出は85年の宇部商以来37年ぶり。同県勢では58年の柳井以来64年ぶりの優勝を目指し、22日の決勝で仙台育英(宮城)と対戦する。坂原監督は「山口県高校野球の誇りを胸に、一番いい野球をやりたいと思います」と力を込めた。

2-2迎えた6回表、1死満塁から7番森凜琥内野手(3年)が右翼線に適時二塁打を放ち4-2と勝ち越した。7回にも犠飛で1点、8回には連続スクイズなどで3点を加えた。

守っては2回途中から背番号6を付けた仲井慎投手(3年)がロングリリーフ。3回に同点とされたが、4回以降、近江打線を無失点に抑え逃げ切った。仲井は「味方が点を取ってくれた。それ以上、点をやらないのが投手。『どうにか0点で抑える』という気持ちでマウンドに立ってました」と真っすぐな目で話した。決勝に向けて「下関国際の野球は『粘り強くやる』。しぶとく戦っていきたい」と意気込んだ。

近江は5連投のエース山田陽翔(3年)が7回途中5失点で降板。センバツに続く決勝進出を逃した。近江・多賀章仁監督(63)は「(山田は)序盤から、らしくない投球だった。本人はいけると言ってマウンドに上がったが、やはりきつそうだった。(2番手で登板した)星野とともに、本当によく投げてくれました」と、ねぎらった。

◆下関国際 1964年(昭39)に、下関電子工業高等学校として開校の私立校。下関高等学校を経て93年に現校名へ。普通科、電子機械科。生徒数は298人(女子52人)。野球部は65年創部で部員72人。甲子園は春2度、夏は今回で3度出場、18年8強。主な卒業生は宮崎敦次(元ロッテ)ら。所在地は下関市大字伊倉字四方山7。上田晃久校長