仙台育英(宮城)が聖光学院(福島)との「東北勢対決」に大勝し、7年ぶり3度目の決勝進出を決めた。須江航監督(39)は「身の丈にあった低い打球でつないでいく意識を、選手たちが実践してくれた。本当に頼もしかった」とたたえた。

同校は夏の甲子園40勝目。東北勢の決勝進出は18年の金足農(秋田)以来で、春夏合わせて13度目。過去12回はすべて準優勝。22日の決勝で東北勢初優勝を目指す。須江監督は「決勝とはいえ、白河の関は見えていない距離。自分たちが何を一生懸命積み上げてきて、何で勝負するのかを見失わないで、身の丈に合った丁寧な野球で挑みたい」と引き締めた。

0-1で迎えた2回表、7安打を集中、打者14人を送る猛攻で11得点。怒涛(どとう)のビッグイニングで一気に試合を決めた。その後も3、6、7、9回にも加点するなど19安打で18得点を奪った。この日5打点を挙げた遠藤太胡外野手(3年)は「つながった時の打線は力があると思っています。(日頃から)質を求めて1球、1球、いい打撃が出来るようにと意識してやっています」と振り返った。

守っては自慢の投手陣がこの日も継投。先発の高橋煌稀(2年)が2回を1失点。2人目の湯田統真(2年)が4回を3失点。3人目の仁田陽翔(2年)が3回を無失点に抑えた。これで4試合すべて継投で勝ち上がった。

聖光学院は2回にまさかの大量失点。初戦から日大三、横浜、愛工大名電、九州学院と強豪を次々と倒して初の4強入り。しかし準決勝で力尽き、春夏通じて初の決勝進出を逃した。聖光学院・斎藤智也監督(59)は「今まで越えられなかった歴史を越えられた。選手たちの頑張りに感謝し、褒めてあげたい」と話した。

<甲子園・東北勢の決勝>

1915夏 秋田中(秋田)1●2京都二中

1969夏 三沢(青森)0△0松山商(引き分け再試合)

1969夏 三沢(青森)2●4松山商

1971夏 磐城(福島)0●1桐蔭学園

1989夏 仙台育英(宮城)0●2帝京

2001春 仙台育英(宮城)6●7常総学院

2003夏 東北(宮城)2●4常総学院

2009春 花巻東(岩手)0●1清峰

2011夏 光星学院(青森)0●11日大三

2012春 光星学院(青森)3●7大阪桐蔭

2012夏 光星学院(青森)0●3大阪桐蔭

2015夏 仙台育英(宮城)6●10東海大相模

2018夏 金足農(秋田)2●13大阪桐蔭

2022夏 仙台育英(宮城)近江-下関国際の勝者と対戦