地域振興活動が、花を開きつつある。楽天はスクールや、小学生のジュニア、中学生のリトルシニア活動で、野球指導に力を入れている。今夏の甲子園決勝に進んだ仙台育英にはOBが多く在籍。4強の聖光学院(福島)では、正捕手の山浅龍之介捕手(3年)がジュニアとリトルシニア出身だった。

中学世代のリトルシニアは14年12月に設立。当初は風当たりも強かった。プロ野球界初の下部組織。選手の一極集中を防ぐため、リトルシニアの連盟から要請され、1学年10人までの人数制限をかけた。注目度が高い上に、よりレベルの高い選手が集まった。21年までリトルシニアの監督を務めた楽天OBの川岸強氏(42)は「楽天を倒すぞのような風潮になんとか応えようと。それが結果的に中学野球のレベルが上がって、ちょっとでも東北の野球活性化につながってくれたら」と願った。昨年、今年と青森山田シニアが全国大会で連覇を達成。打倒楽天と、それをはね返す立場。切磋琢磨(せっさたくま)が、全体の底上げにつながった。

4年間ジュニアコーチを務めた楽天OBの西村弥氏(38)は少し大人に成長した選手たちを見て「昔からの面影があったり、しぐさや雰囲気は変わらなくて」と目を細めた。川岸氏と西村氏は現在台湾プロ野球の楽天でコーチを務める。日本一をかけた教え子たちの戦いを、海の向こうから応援している。【湯本勝大】

 

◆楽天にゆかりのある仙台育英のベンチ入りメンバー(数字は背番号)

<2>尾形樹人(スクール)

<4>秋元響(楽天ジュニア→聖愛シニア)

<5>森蔵人(スクール)

<9>斎藤陽(楽天ジュニア→楽天シニア)

<11>高橋煌稀(スクール)

<14>岩崎生弥(楽天ジュニア→仙北ボーイズ)