昨秋岩手王者の花巻東が、花北青雲を11-0の5回コールドで下し、県大会(16日開幕)出場を決めた。
5番北條慎治外野手(2年)が、3打数3安打3打点1四球と大暴れし、5日の第1代表決定戦に駒を進めた。
北條がコールド勝ちを決定づけた。8点リードの5回1死二、三塁。2ボールから直球を捉え、左越え2点適時二塁打を運んだ。「『しっかり呼び込んで打つ』と(佐々木洋)監督さんと話をしていて、球が遅い投手で、前に出されないように後ろで打つイメージでいったら結果につながりました」。初回にも適時二塁打でチームを勢いづけた。
今大会は背番号「9」で外野手登録だが、最速142キロ右腕として投手陣では随一の経験値を誇る。高校入学から投手に転向も、1年時から公式戦に出場。憧れはOBのエンゼルス大谷翔平投手(28)で、偉大な先輩も背負ったエースナンバーに照準を合わせる。「背番号1に憧れて花巻東に入学したので、その重い背番号をつけて、チームを勝たせられる投手になりたいです」と力を込める。
仙台育英(宮城)の甲子園初優勝に貢献した仁田陽翔投手(2年)は、大船渡一中時代の同級生だ。同中軟式野球部では北條が4番、仁田がエースだった。「白河越え」を成し遂げた友に「おめでとう」とメッセージを送ったといい、「結構、刺激になりましたし、悔しい気持ちもあります」。悲願の日本一をつかむために、北條が投打で花巻東を背負う存在になる。【山田愛斗】