今夏の全国高校野球選手権準優勝の下関国際が、高川学園に延長10回の末2-3で敗れて、来春のセンバツ出場が絶望的となった。

ソロ本塁打などで2回までに2点をリードした。だが、相手の継投を打ち崩せず、3回以降は決定力を欠いて無得点。最速140キロのエース右腕、方ケ部(ほうかべ)諒久(りく)投手(2年)は9回まで2失点と粘ったが、スタミナ不足から球威が落ちた延長10回2死二塁で、中前打を打たれて勝ち越しを許した。

試合後、まさかの準々決勝敗退に選手は泣いて、ロッカールームも重苦しいムードに包まれた。夏の甲子園準Vの重圧の中で、エースの重責を担った方ケ部は「注目され、本気で戦って来ることは分かっていたが、あと1歩届かなかった」と悔しがった。

58年の柳井以来、64年ぶり2度目の山口県勢の夏優勝はならなかったが、V候補の大阪桐蔭や近江(滋賀)を撃破して下関旋風を巻き起こしたことは記憶に新しい。

だが、新チームは、プロ注目のエース左腕、古賀康誠投手や、投げては最速147キロの仲井慎内野手ら、夏の3年生メンバーが一気に抜けた。新主将の松谷徹平外野手(2年)を中心に、ベンチ20人の半分が1年生の若いチームで、新たな船出を切った。

だが、甲子園から戻り、練習試合なしで秋季山口大会入り。坂原秀尚監督(45)は「(秋季大会までに)例年20試合ぐらい行うオープン戦(練習試合)ができなくて、教える時間が足りなかった。甲子園期間中の新チームのつくり方は大事と思わされた」と甲子園出場後の新チームへの移行の難しさを痛感していた。