秋季高校野球県大会準決勝が、1日に静岡市・草薙球場で行われる。

2年ぶりの東海大会出場を狙う加藤学園は、常葉大橘と対戦。主将の太田侑希外野手(2年)は「自分の結果は別として、常に全力プレーをする。その姿勢で引っ張りたい」と決意を語った。背中でチームを勝利に導く。

追いつき、超えたい人がいる。前チームで主将を務めた兄圭哉内野手(3年)は、1年から主力で活躍。2020年夏の甲子園交流試合の鹿児島城西戦では、二塁打と三塁打を放った。当時中学3年だった太田はテレビで観戦。「うれしい半面、悔しかった」と振り返る。今夏の新チーム発足時には、兄の後を継いで新主将に立候補。「兄超え」の誓いを胸に、新たな1歩を踏み出した。

今大会は、3回戦までの2試合で1安打と苦しんだ。島田商と対した3回戦の後、兄から「力み過ぎ」と助言を受けて原点回帰。「センター返しの基本に意識を向けた」。準々決勝の浜松開誠館戦(8○5)では、3安打2打点と暴れた。「無駄な力みも抜け、本来のスイングができるようになってきたと思う」。勝てば東海大会進出の準決勝を前に、復調の兆しをつかんだ。

チームも今大会全3試合で2桁安打を記録するなど、好調だ。太田は「うまくまとまってきている。やるべきことをやれば、勝てる自信はある」と言った。来春センバツへとつながる道。先頭でチームを引っ張る。【前田和哉】

◆太田侑希(おおた・ゆうき)2006年(平18)1月28日、焼津市生まれ。小3から同市内の黒石野球クラブで野球を始め、大富中時代は静岡蒲原リトルシニア所属。左投げ左打ち。家族は祖母、両親、兄。165センチ、69キロ。血液型A。