立命館慶祥は白樺学園を破り初のベスト4進出。準決勝は9日、決勝は10日に札幌円山で行われる。

立命館慶祥が、背番号11渡辺翔悟投手(2年)の力投で、初の準決勝進出を決めた。最後の打者を遊ゴロに打ち取ると正津葵捕手(2年)と抱き合い喜びを分かち合った。初戦の稚内大谷戦は9回途中から火消し役として登板し、サヨナラ勝ちを演出。今度は先発し9回7安打3失点で公式戦初完投し「全力で投げた。チームの役に立ててうれしい」と目を潤ませた。

前夜は正津と午後11時まで約1時間半、白樺打線対策について話し合った。相手の中軸は前チームから出場している選手も多く春夏の動画を見直し「3~5番は力も1発もある。しっかり内外を使い分けられるように」と分析。2回と5回に長打を浴び失点も、それ以外は踏ん張り、流れを譲らなかった。

今秋、1年半ぶりに復帰した横山蔵人監督(61)の言葉も力になった。09年春全道優勝に導いた指揮官から登板前に「目の前のことでいっぱいいっぱいにならないで勝負を楽しんでみなさい」と助言を受けた。渡辺は「先生のおかげで四球を出しても細かいことを気にせず強い気持ちで投げられた」。全力で19年王者を撃破。次は、昨秋王者クラークに挑む。【永野高輔】

○立命館慶祥・横山監督 (送りバントゼロに)セオリー通りでは勝てないだろうと。思い切って振っていった結果。明るく元気にという姿勢が形に表れた。

○4回2死満塁で右中間に2点適時二塁打を放った佐藤哲平三塁手(2年) みんながチャンスをつくってくれたおかげ。立命館慶祥の歴史に残る1勝になった。

◆立命館慶祥の道大会メモ 出場回数は法人合併前の札幌経済時代も含めて春5、夏6、秋5度。4強入りは春の全道大会で2度あり、ともに現校名になった96年以降。01年は岩内、滝川西を下し3季通じて初のベスト4。09年は函館大有斗、駒大岩見沢、北照を破り初優勝を果たした。

●4回途中から登板し3失点だった白樺学園の最速144キロ右腕、西村昂浩(2年) 甲子園を狙っていたので悔しい。体を大きくして雪辱したい。

●白樺学園・亀田直紀監督(35) (5失策に)うちは投手から守ってというチーム。守りでミスが出てしまうと負ける。もう1度練習から鍛えてきたい。