プロ野球ドラフト会議は20日、東京都内で行われる。志望届を提出した北海道内の高校生7人、大学生7人が指名を待つ。今夏の南北海道大会で準優勝した知内の最速147キロ左腕、坂本拓己投手(3年)も吉報を待つ。指名されれば同校初、奥尻町出身の選手ではオリックスなどで活躍した佐藤義則氏(68)以来となる。「ちょっとずつ近づいてきているなと感じる。ワクワク半分、ドキドキ半分です」と笑みを浮かべた。

運命の日を翌日に控えながら、坂本の表情は和らいでいた。夏まで丸刈りだった髪も今ではすっかり伸びた。8月30日にプロ志望届を提出後、約1カ月半に渡りウエートトレーニングと食トレを重ねた。夕食で摂る米の量は1キロ前後。体重は3キロ増え85キロになった。「自分としては動きの重さも感じることはない。ブルペンで投球をしている中で、捕手から球質、球威も上がってきているという話ももらう。体づくりがうまくいっているんじゃないかな」と手応えがある。

NPB複数の球団から調査書も届いている。吉川英昭監督(46)は「ムラがなく140キロ中盤の球が投げられるようになってきている。上でやる準備というのはできているのかなと思う」と口にする。この日は国語や数学など6時間授業を受けた後、グラウンドで体を動かした。「自分は今までやるべきことはやってきた。あとは自信をもって待とうかなと思う」。その瞬間を待つだけだ。【山崎純一】

◆坂本拓己(さかもと・たくみ) 2004年(平16)7月6日、奥尻町生まれ。奥尻青苗小1年の時に青苗スカイバードで野球を始める。奥尻中では軟式でプレー。知内では1年秋から背番号14でベンチ入り。3年夏の南北海道大会では準優勝に貢献。50メートル走5秒9。遠投110メートル。趣味はサイクリング。目標の選手は松井裕樹。好きな食べ物は米。好きな有名人は永野芽郁。家族は両親と兄、姉。血液型A。最速は147キロ。球種はカーブ、スライダー、チェンジアップ。180センチ、85キロ。左投左打。