2年ぶり4度目出場の加藤学園(静岡3位)が、中京(岐阜1位)を9-2の7回コールドで下した。エースで4番の大木漣(2年)が、決勝打を含む3安打2打点と活躍した。2年ぶり11度目出場の常葉大菊川(静岡1位)は、久保綾哉(りょうや)投手(1年)が4失点完投。津商(三重2位)に5-4で競り勝った。両校は29日の準決勝で対するため、静岡県代表校の決勝進出が確定。昨年の三島南(21世紀枠)、今年の日大三島に続く、県勢3大会連続のセンバツ出場に大きく前進した。

雪辱の快音だった。2-2の同点とされて迎えた5回1死二、三塁。加藤学園・大木が、甘く入ったスライダーを仕留めた。鋭く低い打球が、中前に転がる。「4番の自分が(走者を)かえすという思いだった。抜けて、うれしかった」。勝ち越し点に沸くベンチへ、左手の拳を突き上げた。

前日22日。至学館(愛知2位)と対した1回戦で先発マウンドを託されたが、2回1/3、4失点で降板。打っても1安打に終わった。「投打で貢献できず悔しかった」。試合後は「4番・一塁」での出場が濃厚な中京戦に備え、気持ちを切り替えた。「結果を求め過ぎて、体が開いていた」と打撃を修正。この日の3安打2打点につなげた。

4番の復調に引っ張られるように、チームも躍動した。2試合連続2桁安打となる13安打で9得点。岐阜1位を相手に、7回コールドの圧勝劇を見せた。米山学監督(44)は「出来すぎです」と目を細めた。

来春のセンバツは記念大会のため、東海地区の一般枠は1つ増えて3枠となる。「県勢対決」となった常葉大菊川との準決勝に勝てば、聖地へ視界は大きく開ける。大木は「全員で最後まで諦めずに戦っていきたい」と力強く結んだ。【前田和哉】