1回戦に続く大勝で4強入りを決めた大阪桐蔭(近畿)に「根尾2世」の新星が現れた。

11-2で迎えた6回、境亮陽外野手(1年)が右翼席に公式戦初本塁打となるソロを放り込み、10点差として試合を終わらせた。

背番号15の1年生は「こういう経験をさせてもらっているので、思い切って、粘って、しぶとくやろうと思っていた。それが結果につながったと思う」と笑みを浮かべた。

投手としても最速142キロを誇り、今秋の近畿大会で「1番投手」で先発もした。中堅のレギュラー長沢元外野手(2年)の負傷により、この日は「7番中堅」で出場。2回の内野安打に始まり、3回に右前打、4回に右中間二塁打と4打数4安打の大爆発だった。

中学時代は岐阜南ボーイズで活躍。身体能力が高く100メートル走のベストは11秒06。JOCジュニアオリンピックカップ出場経験もある。学業も優秀で、野球部が所属する3類の中の上位クラスで勉強する。

岐阜出身、二刀流、学業優秀とくれば、同校で春夏連覇した中日根尾昂が想起される。境は、根尾やロッテ藤原恭大にあこがれ、大阪桐蔭進学を志した。

「根尾さんは投手も野手も両方やっていてすごい。どっちもやりたいです。野手としては足を生かした打撃や守備が持ち味」と、あこがれOBの背中を追いかける。

現チームには投打で活躍する選手が多い。西谷浩一監督(53)は「まだ1年生だから何の重圧もかけていない。境は足もあるし、先輩を脅かす存在になってほしい」と成長を期待した。

相手ミスもあり大差がついたが、西谷監督はまずディフェンス面を評価した。エース前田悠伍投手(2年)を温存した試合。先発した南恒誠投手(2年)が落ち着いた投球で務めを果たした。「投手が抑えて守備でリズムを作れればと思っていた。いい試合になったと思う。南は経験を積ませてきた投手。新チームで前田1人にならないようにと。もっともっとできる子です」。

連戦になる21日の準決勝は、夏の甲子園で優勝した仙台育英(東北)との注目対決。大阪桐蔭は今春のセンバツを制しており、春夏の甲子園優勝校同士の対決になるが、西谷監督は「前の代のことですから」と意に介さなかった。

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