第95回選抜高校野球大会(3月18日開幕、甲子園)の選考委員会が27日に行われ、昨秋の全道優勝校クラークが2年連続のセンバツ出場を決めた。昨秋の明治神宮大会で大阪桐蔭に2-12の大敗から雪辱を期し、パワーアップ。中軸打者は3人とも3~5キロ増量して力をつけた。春夏通じて3度目の甲子園で初勝利を目指す。

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クラークに春の吉報が届いた。ナインは氷点下6度の屋外に飛び出すと、白い息をはき、はなをすすりながら、写真撮影に応じた。昨年に続くセンバツ切符。エース新岡歩輝主将(2年)は「昨年悔しい思いをした3年生の分まで自分たちは戦う。甲子園で思い切りプレーをしたい」と宣言した。

大敗を機にパワーアップした。昨年11月の明治神宮大会の初戦で大阪桐蔭と対戦。2-12で散った。麻原草太捕手(2年)は「技術面もだけど体格から違った」と振り返る。打てる体、速い球を投げる体を目指し、ウエートトレーニングに取り組んだ。3番新岡が4~5キロ、4番中村光琉一塁手(2年)は5キロ、5番麻原は2~3キロ体重を増やした。この日、久しぶりの試合用ユニホーム姿になると、佐々木啓司監督(66)は「パツパツだった。やっぱりまじめに練習していたんだな」とうなずいた。目に見える変身ぶりは、自信となっている。

氷点下20度を下回る深川市内の室内練習場では暖房を入れても氷点下5度ほど。その中でバットを振っている。中村は「手がかじかんじゃってバットの芯に当たらないと痛い。それでミート力を上げている」と、鍛錬を積む。その成果を実感するために、チームは29日から三重、愛知遠征を予定しており、久しぶりに雪が積もっていないグラウンドで調整する。

駒大岩見沢時代から監督としては春10度目、夏と合わせ通算14度目の甲子園となる佐々木監督は、昭和、平成と甲子園で勝利を挙げている。新岡は「3元号勝利をプレゼントしたい」と意気込んだ。同校3度目の聖地挑戦。全員が寮生で一体感が自慢のチームは、通信制高校としても全国初の歓喜を、今度こそ呼び込んでみせる。【保坂果那】

■佐々木監督「そろそろ出番」

佐々木監督が、クラークでの甲子園初勝利へ期待感を膨らませた。駒大岩見沢時代は春夏通じて3大会連続で甲子園での初戦敗退はない。「そろそろ出番が来るかなと思っている。私の経験で3大会目まで初戦突破できなかったのはないんじゃないかな」とほほ笑んだ。初甲子園に臨んだ83年春から40年の節目に、ナインと喜びを分かち合う。

◆クラーク 広域通信制高校として1992年(平4)創立の私立校。深川本校にある野球部は14年4月創部。創部3年目の16年には通信制高校として初の夏甲子園出場。部員は2年生15人、1年生14人。主なOGにソチオリンピック(五輪)スノーボード女子パラレル大回転銀メダルの竹内智香。深川本校の所在地は深川市納内町3の2の40。吉田洋一校長。