昨秋の明治神宮大会8強入りの英明（香川）が智弁和歌山を下して、センバツ初勝利を飾った。
寿賀弘都外野手（3年）が痛みをこらえて気迫を見せた。8回1死二、三塁。適時打で1点差に詰め寄られた直後のピンチの場面で、中浦浩志朗捕手（3年）からの二塁へのけん制を見ておらず、送球を左肘に当てて負傷した。治療でベンチ裏に下がったときに香川純平監督（37）から「四球を出してもいいから、とにかく腕を振っていけ。お前のボールなら打たれへん」と背中を押された。普段弱気な寿賀も「言葉がマウンドで支えになった。香川先生が強気だったので、僕もそれに負けてはいけない」と気合を入れた。アイシングとテーピングを施し、再びマウンドへ上がった。直後に四球で満塁としたが、「弱気になっていたらダメなので、とりあえずこの打者を抑えようと思って腕を振りました」と一ゴロ、中飛と連続で抑えてリードを守った。
打席でも4番として6回の第3打席で先制打。「チャンスだったので、初球は決め球で来るかなと思った。とりあえず強く振ろうと思った」と、2死一、二塁から内角高めに詰まりながら左前に運んで均衡を破った。
適時打と、痛みをこらえながら気迫の投球で、センバツ初勝利に貢献。「すごくうれしい。（香川）純平先生が涙を流していて、僕たちもグッとくる気持ちはありました」と試合後は余韻に浸った。
