長崎日大は逆転負けを喫し、長崎県勢史上初の「ダブル選出」となった海星と初の「アベック初戦突破」は実現出来なかった。

センバツ優勝歴もある最多出場の龍谷大平安に対して、3回に同点に追いつき、7回には2点を勝ち越す意地を見せた。だが、直後に2死から5連打を浴びるなどで逆転され、3-4で惜敗した。前日20日、県勢春夏甲子園70勝目を挙げた海星の勢いに続けなかった。

7回に集中打を浴びて逆転され、海星との「アベック初戦突破」を逃した。エース広田が「2点を取って点差がついて、自分の中で油断があった」と悔やんだ、2点勝ち越し直後の「魔の7回裏」に泣いた。

2死を奪って、「スライダー系の得意なカットボールなどを狙われた」と、警戒が薄かった7番から、まさかの5連打を浴びた。2死一、三塁から2度目の暴投で1点を返されると、相手9番の代打に、この日初めての左越えタイムリー二塁打を浴びるなど散々で、一挙3失点。7回の重盗で生還した5番加藤も「油断があり、向こうに流れが行った」とうなだれた。

平山清一郎監督(43)は、広田を7回途中で代えた継投のタイミングについて「同点くらいまではなんとか引っ張ってみようかなという感じはあった。でもちょっと遅かったのかもしれないですね」と話した。

それでも、近畿の伝統校に対して意地も見せた。1点を先制された3回2死二塁で、2ストライクに追い込まれた1番平尾主将が、バットを普段より短く持って食らいつき、同点の中前適時打を放った。7回は意表を突く重盗による得点や、広田の右前適時打で勝ち越した。

前日20に初戦を突破した海星ナインが三塁側アルプススタンドで応援に駆け付けたが、続けなかった。だが、平尾は「海星高校と一緒に長崎の野球を引っ張っていきたい」と前を向く。切磋琢磨(せっさたくま)でレベルを上げ、夏の甲子園に戻る。【菊川光一】

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