慶応(神奈川)は、昨夏覇者の仙台育英(宮城)に延長タイブレークの末に敗れた。
西武、巨人、オリックスで通算525本塁打を放った清原和博氏(55)の次男、勝児内野手(2年)は、チーム初安打となる二塁打を放つなど5打数1安打だった。
清原氏は、第2試合の途中で甲子園入り。バックネット裏から、グラウンドに熱視線を送った。試合中には、時折立って身を乗り出す場面もあった。2人の子どもについては「やっぱり宝」と表現した。
試合前、試合後の一問一答は以下の通り。
【試合前】
-甲子園に到着して思うことは
清原氏 人生でこれほど、ドキドキというか胸が苦しいと思うことはなかったというか…そんな気持ちになっています。
-自身が選手として立った時とは違う?
清原氏 全く違いますね。
-どんな違いが
清原氏 もう…比較にならないですね。
-緊張している?
清原氏 そうですね。
-自身が活躍した甲子園に息子の勝児選手が立つことについては
清原氏 いや本当にね。息子にとっても夢の甲子園の舞台でプレーすること、そしてそれを僕が・・・
本当に、そういうことを思うとね、感極まってきますよね。自分がプレーした甲子園で息子がプレーするというのは。
-試合で勝児選手に期待したいことは
清原氏 とにかく悔いのないプレーをしてもらって。自分自身も甲子園でホームランを打った記憶もありますし、逆に悔しい経験もしましたから。とにかくこの素晴らしい甲子園で、これからの人生で、今日という日は忘れられない日になると思う。伸び伸びとプレーしてほしいなと思いますね。緊張するのは僕だけでいい。
-開会式は見たか
清原氏 見ました。大阪で、テレビで。
-勝児選手の行進を見てどう感じたか
清原氏 ここまで開会式をね、真剣に見たのって初めてだったので、感動しましたね。今年はコロナが明けて声援もありますしね。自分は夏の100回大会の記念大会に来させてもらったんですけど、今回95回選抜の記念大会ということでね、また思いも強いですね。
-勝児選手のプレースタイルを見て、自身と重なるところ、異なるところは?
清原氏 うーん、どうでしょうか。
-似ているのは?
清原氏 やはりボールに向かっていく姿勢。僕にないところは、慶応高校のチームカラーであるエンジョイベースボール。そういうところはやっぱり、自分たちの時代とはかなり違うかなと思います。
-秋の大会も応援に来ていた。どのような思いで試合を見た?
清原氏 勝てばセンバツのチャンスがあるというときは、本当にドキドキしましたよね。自分たちPL(学園)は甲子園に出て勝つことが使命付けられていましたので。慶応高校は神奈川県の強豪がひしめく中でそういうチャンスがなかなかなかったと思うので、それで息子の代が甲子園に出られるチャンスがあると思うと緊張しましたけど、やっぱり今日の方が、緊張感がありますよね。
-長らく選手として注目される立場だったが、今は父親として子どもの野球を見る立場。変化はあったか?
清原氏 正直心配ですよね。あの…父親として伸び伸びとプレーしてもらいたなという一心ですよね。
-息子さん2人はどんな存在か
清原氏 やっぱり宝。宝というか、僕は2人の息子がいてくれたおかげで今生きていられると思うし、息子の存在が今、勇気と希望を与えてくれていると思います。
【試合後】
-試合を終えて
清原氏 感動しかない。両チームの戦いに感動しました。
-スタンドから勝児選手にものすごい声援が贈られた
清原氏 すごい、ファンの皆さんの声援は息子に届いたと思います。ありがたかったです。
-勝児選手が第1打席に安打した
清原氏 もう一生の宝になりますね。本人にもそうだと思うんですけど、甲子園でああやってヒットを打ったことはいい思い出になったと思います。
-タイブレークではチャンスで三振に倒れた
清原氏 やっぱりああやって最後振りましたからね。ナイススイングですよ。
◆清原和博の甲子園デビュー戦 PL学園1年夏の83年1回戦、所沢商戦に4番一塁でスタメン出場し、前田東郎投手の前に3打数無安打(二ゴ、中飛、一ギ、三ゴ)。甲子園初安打は通算3試合目(通算9打席目)だった。