甲子園史上初の女子ノッカーが誕生した。

21世紀枠で初めて出場している城東(徳島)の永野悠菜マネジャー(3年)が試合前練習の内野ノックを担当。新治良佑監督(35)が外野ノックをする際に内野で選手にノックを打った。

ユニホーム姿でノックバットを手にして、手袋を着用して登場。約1分間、内野陣にゴロを打ち続けた。永野さんのノックが終了すると、場内は温かい拍手に包まれた。その後、新治監督にバトンタッチ。ヘルメットを着用し、ノッカーの新治監督にボールを渡す補助員としても支えた。

永野さんは野球未経験ながら、部員の少なさをカバーしようとノックを打つことを監督に志願。猛練習を重ね、毎日筋肉痛になりながら、内野ノックに加えて外野ノックもできるまでに成長した。甲子園での試合前ノックを打つことが決まると「緊張するけど、うれしい。練習で打っている通りに打てたら。ミスはあると思うけど、1球1球の思いを持って甲子園で打ちたい」と胸を躍らせていた。

甲子園では今春センバツから女子部員の試合前ノックが解禁された。永野さんは“女子ノッカー第1号”となった。昨夏からは女子部員も試合前ノックの補助、試合中のボールパーソンを務められるようになっていた。

◆高校野球と女子マネジャー 96年に記録員として女子部員の参加が認められた。08年センバツの甲子園練習では、華陵(山口)の女子部員が初めてユニホーム姿でタイムキーパーで参加。16年夏は大分の女子マネジャーが甲子園練習時にボールの渡し役として参加したが、規定違反として大会関係者から制止され、グラウンドから出るよう指示された。当時は「代表校・応援団の手引」に練習補助員とボールボーイは男子部員に限るとの記載があった。17年センバツから規則変更され、安全面を確保する条件付きで参加が認められた。