第2試合の高松商(香川)が代表校で最後の出場となり、今大会に出場する全36校が1試合以上を戦った。各チームの初戦に限ると、本塁打はわずか2本だった。

32校が出場した昨年は、1回戦終了時点で1本と、金属バット採用後(春は75年から)の最少だった。昨年を1本上回る結果となった。

今大会の本塁打は、大会初日に、沖縄尚学・仲田侑仁内野手(3年)が、大垣日大(岐阜)戦で満塁弾を放った。大会第1号が満塁弾となったのは、50年ぶり3度目の珍事だった。

大会2号は、大会6日目に報徳学園(兵庫)石野蓮授外野手(3年)が、高崎健康福祉大高崎(群馬)戦で左越え2ラン。

一方、140キロ以上を計測した投手は22人。昨年の12人を大幅に上回った。

「投高打低」のデータが浮き彫りとなった。36校の初戦となった20試合で、0封が4試合。完封勝ちは、能代松陽(秋田)森岡大智投手(3年)、専大松戸(千葉)平野大地(3年)、光(山口)升田早人投手(3年)の3人が挙げた。

在京球団のスカウトは「今年、ドラフト候補として球団がリストアップしている高校3年生は、投手が圧倒的に多い。コロナ禍の影響も受けている世代だが、投手のレベルが高いと思う」。また別のスカウトは「今年は、センバツの時期にしては気温が高く打者にとってはいい条件だと思うが、大きなフライも少ないと感じる」と評した。