全36校が登場を終え、日刊スポーツでは独自のベストナインを選出した。投手は右腕、左腕を1人ずつ。外野手はポジションを限定せず3人。対象試合は各校の初戦だけに絞った。

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WBCの裏で始まった春の甲子園。日本の未来を担う選手たちに視線を注いだ。まず好投手が目立った右投手は光・升田を選んだ。伸びる速球で99球完封、甲子園初勝利に導いた。8回0封と圧倒した広陵の2年生高尾が次点。専大松戸・平野、能代松陽・森岡の完封も見事だった。

少なかった左腕は大注目の大阪桐蔭・前田だ。不調ながら敦賀気比に14奪三振、1失点完投はさすが。履正社・福田は左腕最速145キロを計測した。

捕手はレベルが高く迷った。常葉大菊川・鈴木叶、報徳学園・堀は評判通りの強肩。山梨学院・佐仲、高知・高木、高崎健康福祉大高崎・箱山らの中から3安打した北陸・平田を選んだ。

一塁手は豪快満塁弾の沖縄尚学・仲田。広陵・真鍋も3安打だが失策で減点。二塁手は広い守備範囲と巧打を見せた常葉大菊川・岩崎を選んだ。社の162センチ・隈(くま)や広陵・松下の動きもよかった。

三塁手は2安打に好守の作新学院・武藤を推す。敦賀気比・高見沢も逸材の片りんを示した。名手ぞろいの遊撃はサヨナラ打の仙台育英・山田とした。東海大菅生・門間や21世紀枠の城東・吉田も目を引いた。

外野は激戦区。ケガに負けず投打で奮闘した英明・寿賀、3安打の仙台育英・斎藤陽、2ランの報徳学園・石野。龍谷大平安・白石の決勝打も印象的だ。クラーク・鈴木は代役出場で3安打。慶応・福井はタイブレークでの本塁好返球で「左翼ゴロ」を記録した。

2試合目以降に本領発揮する選手も多い。大会後に発表されるU18代表候補メンバーも楽しみだ。【柏原誠、保坂恭子】