優勝まであと2勝!山梨学院が、春夏を通じて初の4強入りを決めた。作新学院(栃木)との関東対決を12-3で制した。3回、足を使った持ち味の攻撃力で相手バッテリーをゆさぶり、打者一巡の猛攻で7点を挙げ流れをつかんだ。4戦連続で先発したエース林謙吾投手(3年)が、安定した投球で8回を3失点にまとめた。県勢では市川(現青洲)が「ミラクル市川」として全国に名をはせた91年春以来の4強。初の決勝進出、そして頂点へ、一戦必勝で向かう。

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エースの林が投打で活躍し、歴史を塗り替えた。初戦の開幕試合から4試合連続で先発。「まっすぐをコーナーにしっかりと投げられた」。3回戦で英明(香川)との乱打戦を12安打9得点で制した作新学院を、8回6安打3失点、四球0と安定した投球で抑えた。

バットでも結果を出した。2回1死二塁では左越え二塁打を放ち先制。4回にも1死三塁から中前適時打で10得点目を挙げた。3回戦の光(山口)戦に続き2戦連続で打点を記録。スタメン6人が昨夏の甲子園経験者がそろう。林自身は初の甲子園だが「打線がいいので気負わずに打てるボールを待ってたたくことを意識している」と仲間の存在が安心材料になっている。

投打で好調の要因は「いつもどおり」。幼稚園の頃から続けているお風呂上がりの毎日30分のストレッチを欠かさない。いつも使っている抱き枕も持参。「寝るときに何かつかんでいないと寝られないんです」と気迫あふれるマウンドとは正反対の素顔を見せた。

次戦は今大会注目のスラッガー真鍋を擁する広陵。「まず2勝が目標だった。そこからは自分たちで歴史を塗り替えていく」といつでも冷静なエースが試合ごとに成長する。【星夏穂】

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