昨秋、神奈川県優勝の横浜が準々決勝で敗れた。

タイブレークで迎えた延長10回、1死一、二塁。3回途中からマウンドに立つエース・杉山遙希投手(3年)が左越え適時打を許し、1点を失った。その裏、相洋のエースを捉えきれず3者凡退。杉山はベンチで静かに肩を落とした。

「今は何も考えられません」。試合後、声を振り絞った。「絶対的エースになって、抑えなければいけなかったのに…」。勝ちに導けなかった悔しさが込みあげた。「未完成」帽子に書かれた文字がむなしい。「まだ70%の出来。夏までに絶対的なエースになりたい」と、必死に前を向いた。

昨秋は、関東大会で8強で破れ、あと1歩でセンバツ出場を逃した。主将の緒方漣内野手(3年)は「(秋と同じで)春もあと1勝で関東大会出場を逃した。春の優勝旗を取りたかった…」と、悔しさをにじませた。「あと1つ」に挑み続ける横浜。「ここ一番で発揮できる力をつけたい」と、夏に向け、さらなる強さを誓った。

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