<高校野球練習試合:享栄4-1大阪桐蔭>◇1日◇バンテリンドーム

最速152キロ左腕の享栄(愛知)・東松快征投手(3年)が初めて大阪桐蔭と対戦し、5回無失点と完璧に封じた。被安打わずか2。6奪三振、無四死球で二塁も踏ませなかった。

「この試合に結構合わせていたんですが、この1週間ずっと調子が悪くて落ち込んでいました。でも球場に来たら感覚をつかんで、すごく良かったです」。幹部クラスも含め、11球団28人のNPBスカウトが視察する中、初回から147キロを計測するなど熱のこもった投球だった。

慣れない硬いマウンドの影響で2回途中には左足がつった。左足を気にしながらも、140キロ台中盤の速球と変化球をうまく使いながら5回まで投げた。

3回は、3番の南川幸輝捕手(3年)をスライダーで、4番ラマル・ギービン・ラタナヤケ内野手(2年)をフォークで空振り三振にしとめた。「今までは調子が悪いと崩れちゃっていたけど、5回無失点という結果を出せた。練習試合ですが日本一の高校を抑えられて自信になりました」と笑顔だった。

大阪桐蔭は普段3番を打つ徳丸快晴外野手(2年)とエース前田悠伍投手(3年)が欠場したが、それ以外は春季大会も戦ったベストメンバーだった。

東松は4月のU18日本代表候補合宿にも参加した。2泊3日の合宿で並んでブルペン投球するなど親交を深めた前田とも再会。「お互いけがに気をつけて、絶対甲子園で対戦しような」と約束を交わしたという。

愛知享栄学園の創立110年記念事業の一環として、バンテリンドームに大阪桐蔭を招いてのイベントだった。栄徳と享栄が大阪桐蔭と1試合ずつ戦い、栄徳は7-2、享栄は4-1。両校の全校生徒が応援する前で、そろって快勝した。

愛知県出身の東松にとってバンテリンドームは言うまでもなく、あこがれの球場だ。「プロが実際に使う球場でワクワクしました。ドラフト1位でプロに行きたい気持ちがすごく強くなりました」と言い切った。【柏原誠】