前日29日に降雨で札幌地区で初の継続試合となった一戦は、石狩翔陽が2-1とリードの9回裏1死一、二塁で札幌新陽の攻撃から再開。

石狩翔陽の右腕エース井上幸明(こうめい、3年)が5球目で、札幌新陽のこの日の先頭打者で2番の中塚心翔(2年)を遊ゴロ併殺に打ち取り、約2分で勝利を手にした。

継続試合決定から20時間悩み抜いて出した「ラストアンサー」で、バッテリーが結果を出した。1球目と2球目は外角に外れ、3球目はストライク。4球目にファウルを打たせて追い込むと、5球目がショートの前に転がった。上野夢斗遊撃手が二塁ベースに入った古屋巧翔二塁手(2年)に送球、古屋が塩崎裕介一塁手(3年)に転送してダブルプレーが完成。宮川竜憧(りゅうどう)捕手(3年)が「ほとんど寝られなかった」ほど考え、再開の3分前に井上と合意したツーシームを5連投。午後1時5分に始まった試合の終了のサイレンが、約2分後に鳴り響いた。

直球、カーブ、スライダー、フォーク、ツーシームと豊富な選択肢から、1つを選び、こだわった。「三振を取れるカーブ」も宮川捕手の頭をよぎったが、前日の試合で井上のツーシームにてこずっていた中塚のイメージが最後まで消えなかった。「引っかけてくれれば、ショートゴロでゲッツーが取れる」と宮川捕手。「打たれたらしょうがない」と、井上が投げ込んだ5球目の外角低めツーシームで、「イメージ通り」(宮川)、遊ゴロ併殺にしとめた。

プロ注目のMAX145キロ右腕細野龍之介(3年)擁する強敵の札幌新陽を下し、石狩高時代の89年以来34年ぶり3度目の南北海道大会出場へ、残り1勝に迫った。「注目されている選手に投げ勝ったというのは自分の自信にもなるし、打ち崩したバッターにも自信になる。ここまで来たら、もうやるしかない」と井上。石狩翔陽として初の南北海道大会へ、あと1勝をもぎ取る。【中島洋尚】

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