「指揮官不在も赤点も、何でも想定内!?」

高崎(群馬)が不運続きも全く動じず桐生工に逆転勝ちで初戦を突破した。

この日は高島喜美夫監督(51)が新型コロナ感染で不在。試合も5回まで両チーム3安打1得点で決定打を欠いた。6回に先発の堀越雅貴投手(3年)が2死三塁のピンチをつくる。三塁走者の隙を見てけん制球を投じたが、三塁手と走者が交錯。ボールを捕球できず、思わぬ形で勝ち越しを許した。だが高崎の真骨頂はここからだった。

8回、相手の失策で同点に追いつきなおも2死一、三塁。打席の7番今山宙内野手(3年)に伝令が飛んだ。「今まで通りセンター返しで」と対策の確認だ。地元の伝統進学校「タカタカ」の同点劇に高崎市城南野球場はお祭り騒ぎ。だが打席では冷静さを忘れなかった。2ー2からの5球目を振り抜くと打球は中前に弾む決勝打。殊勲打を放った今山は塁上で雄たけびを上げた。「いつも高島先生から良い想定も悪い想定もするように言われている。監督不在でも、ミスが出ても想定内です」と淡々と話した。試合後、高島監督は電話取材に応じ「この時期にコロナにかかってベンチに入れないなんて、こんなこともあるんだなと。でも選手たちは序盤うまくいかない中でも準備と対策ができていたと思う」とテレビ越しの教え子たちの姿に声を弾ませた。

今山は野球以外でも「想定内」だ。6月末の期末試験では公民と数学が赤点に。だが「赤点の2教科はまあ(笑)でも良い点もあったからセーフです」とあっけらかんとした表情。第一志望は筑波大。「野球が終わったら受験勉強頑張ります」と苦笑いも見せた。

次戦は16日に同じ高崎市城南野球場でシード校の前橋商と対戦する。高島監督も復帰予定だ。「地元の大応援団も味方に付けて自分たちのプレーをしたい」と力を込めた。【黒須亮】