幕張総合が、延長11回タイブレークの末、サヨナラ勝ちで4回戦を突破し、幕張総合として初の5回戦進出を果たした。

延長11回1死一、二塁。9番桜井幹太内野手(3年)が右前へ運ぶと、二塁走者の最速151キロ右腕・早坂響投手(3年)が足からスライディングしサヨナラのホームを踏んだ。「めちゃめちゃうれしい! ヘッドスライディングしそうだったけど、ケガをしないように、足からいきました。セーフになってよかったです」と興奮ぎみに話した。

どこにそんな力があるのかー。この日は今大会3試合目の先発で、13日の我孫子東戦で完投したばかり。身長176センチ、68キロの体を大きく使い、1球1球丁寧に投げた。「自分は真っすぐだけでなく、スライダーも武器なので」。相手打者が速球狙いと見るや、「当たったら、飛ぶと思ったので、今日はかわしていこうと思いました」。疲れのある体とも、うまく折り合いをつけ直球と変化球でかわしながら打たせて取る投球。「2年半ずっと練習してきた。こんなところで終わりたくない。みんなが得点してくれた。自分は腕を振るだけでした」。1被弾を含む10安打4失点で9奪三振。この日の最速は147キロ。延長11回、169球を投げきった。

視察したDeNA吉見スカウトは「当てられるところはあるけど、スピードも出ているし、スライダーもばらけすぎることもなく投げられている。疲れがある中でもピンチの場面ではギアを上げ要所を締めて投げているのは評価できるところですね」と話した。

3連投となったエースに柳田大輔監督(40)「早坂に負担をかけすぎました。祈る気持ちでした。それでもよく投げてくれたと思います」と、感謝した。次は専大松戸と対戦する。早坂は抽選が決まってから「専大松戸の平野大地投手と投げ合いたい」と話していた。千葉の最速151キロ投手対決へ。「専大松戸を倒してさらに上にいきたいと思います」。早坂の夏は、まだまだ終わらない。