<高校野球大阪大会:大冠7-0大手前>◇18日◇2回戦◇南港中央球場
高校野球のドラマは、勝った者にだけ生まれているわけではない。日刊スポーツでは今夏、随時連載「君がらんまん」で、勝者だけでなく敗者にもスポットを当てた物語をお届けする。
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府立進学校の大手前(大阪)は大冠との初戦に0-7で敗れ、短い夏を終えた。主将の1番増田佑人内野手(3年)は無安打に終わったが、文武両道チームの先頭に立ち続けた。小学3年でソフトボールを始め、中学では硬式野球のチームでプレー。野球は高校が最後になるが、かけがえのない財産を得た3年間だった。
「勉強と野球両立は難しいよね、すごいねと声をかけられることはあります。でも自分の中では文武両道というより、お互いが支え合っているというか。野球だけでは勉強が成り立たなかったし、勉強だけでも野球は成り立たなかった」
家ではとても寡黙。だがグラウンドに出ると、抜群のキャプテンシーを発揮した。白木原舜監督(32)は「第2の監督ぐらいの感じでした」と明かす。「こういう練習がしたいとか、チームの状況を考えて、ミーティングをさせてもらってもいいですか、とか積極的に務めてくれた」と感謝の思いでいっぱいだという。
増田もすがすがしく言った。「生活の一部として野球があったことで、人間関係でも勉強になったし、自分の人生を数年後振り返った時に、絶対最初に出てくるのが野球だと思います。高校野球がみんなとの思い出です」。【原田竣矢】

