履正社が逆転勝ちで決勝に駒を進めた。

2-4の3回から打線が活発化。相手ミスもつきながら得点を重ねた。

7回のダメ押し点は4年ぶりの優勝を目指すチームを勇気づけた。

代打で出た坂根葉矢斗捕手(3年)が直球を鮮やかにとらえて左翼越えにソロアーチ。履正社ベンチは総立ちでガッツポーズを繰り返し喜んだ。多田晃監督(45)も「今日一番盛り上がった。大きな8点目でした」と喜ぶ1発だった。

前チームから主軸で捕手をになってきた背番号2。だが、初戦だった15日の大阪公立大高専戦でいきなりファウルチップを右手小指に受けて交代。以来、スタメンを外れた。靱帯(じんたい)のほか、骨もわずかに損傷しており、大会中に万全に戻せるかは微妙だった。下宿で牛乳や小魚を積極的にとり、祈るように回復に努めてきた。

前の試合まで代打で結果を出せていなかった大砲は、チームに貢献できない悔しさを胸にとどめ、治療と仲間の応援に集中した。そんな状況で生まれた高校通算29号、自身の夏1号に「今まで感じたことのない気持ちになりました。うれしかったです。チームのみんながここまで頑張って勝ち上がってくれたので感謝しかありません。この3年間、一緒に甲子園を目指してやってきた仲間たちを信じていました」と感謝した。

小指は完治していないが、もう痛みはない。スローイングも可能になり、打撃面でも「自分はすぐ力が入ってしまうので、逆に力が抜けてスムーズに振り抜けている」とケガの功名も実感している。

決勝は翌日の30日。「もちろん出る準備はしています」。坂根の力が必要になるのは間違いない。