浜松開誠館(静岡)が両軍計32安打の乱打戦を制し、春夏通じて初の甲子園出場を決めた。初回に加藤蔵乃介内野手(2年)の左前適時打で奪った先制点を皮切りに、先発全員の18安打12得点。21年まで中日の中村紀洋打撃コーチ(50)が非常勤コーチを務めた同校が、打ち勝って参加107チームの頂点に立った。元中日の佐野心監督(56)は「技術は継承している。ノリも喜んでくれると思う」と目を細めた。
今夏初先発となった最速149キロのプロ注目右腕・近藤愛斗投手(3年)も、8失点と苦しみながら完投した。8回には指揮官から交代を“打診”されたが、続投を志願。「とにかく真っすぐで押した。勝ててホッとしている」と、118球の熱投でリードを守り抜いた。創部26年目でたどり着いた聖地。吉松礼翔主将(3年)は「全員で、もっと新たな歴史を築いていきたい」と目を輝かせた。
◆浜松開誠館 1924年(大13)に誠心高等女学校として開校した私立校。98年に現校名で中高一貫・男女共学となる。生徒数は965人(うち女子451人)。野球部は98年創部で部員数は76人(うちマネジャー6人)。主な卒業生は、清水MF竹内涼や磐田DF松原后。所在地は浜松市中区松城町207の2。高橋千広校長。