王者・仙台育英(宮城)が昨夏準決勝の再現となった聖光学院(福島)との東北決戦を8-2で制し、2年連続で16強入りした。夏の選手権通算43勝で全国6位タイに浮上し、東日本勢に限ると早実(西東京)と並ぶ1位タイとなった。3番湯浅桜翼(おうすけ)内野手(2年)が決勝打含む3安打5打点と活躍。田中優飛、湯田統真、高橋煌稀(いずれも3年)の3投手によるリレーもはまった。聖光学院は4回の杉山由朗捕手(3年)のソロ本塁打など、6回まで2-3と接戦を演じたが、7回に3点を追加され、最後は突き放された。
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仙台育英が聖光学院との熱戦をものにした。2年連続の16強入りに須江航監督(40)は「とても強かったですね。思っていたよりもずっと強かった。時の運ですね」。6回までは1点差。終盤の5得点で突き放したが「粘り強い。追い込んでも追い込んでも土俵際で粘りますから。鍛えられていて素晴らしいチーム」と相手の底力に脱帽した。
3番湯浅が決勝打を決めた。同点の2回2死二、三塁。3球目の122キロスライダーを中前に落とすポテンヒット(記録は二塁打)で勝ち越し。7、8回にも2本の適時打を放った。「あまり調子が良くないんですけど、調子が悪いながらできたのは成長かな」。3安打5打点で大暴れした。
投手陣が踏ん張った。「継投の遅れは絶対にしないと何十回も自分に言い聞かせていた」と須江監督。先発・田中が4回にソロ本塁打を浴びて1点差。なおも2死三塁で2番手・湯田にスイッチした。湯田はスライダーを2球続けて追い込むと、最後は130キロスライダーで二ゴロに封じ、4回1/3を無失点に抑えた。9回は高橋がゼロで締めた。
昨年は夏の甲子園で史上初となる東北勢同士の準決勝を戦い、18-4で大勝した。毎年のように練習試合を行う間柄の両校。21年夏の県大会は仙台育英が4回戦敗退、聖光学院も準々決勝で敗れ、失意の時期に手を取り合った。指揮官は当時をこう振り返る。
「大変悔しい思いをして、1番最初に(練習試合を)やったのが聖光さんです。来年頑張りましょうね。来年はリベンジですねと」
昨夏はともに甲子園に戻り、準決勝の舞台で再会。今年も好勝負を演じた。「ミラクルをつくり続けてきたチーム」(須江監督)という聖光学院を倒した仙台育英。「2回目の初優勝」へ弾みをつけた。【山田愛斗】
○…4回を終えて2-3の接戦。逆転したい聖光学院だったが、4回2死から継投した湯田統真投手(3年)になすすべなく、8回まで4安打無得点。斎藤智也監督(60)は「湯田君対策もしてはいたのですが、やっぱりあの縦スラ。見た目以上にキレていた。150キロの真っすぐと130キロ中盤の縦のスライダー。かなり練習で見せてきたつもり。本番でびっくりしないように負荷をかけた設定をしてきたんですけどね、それでもやっぱり、追い込んでからの腕の振りとあの縦スラは褒めるしかないですね。あれはもっと上のレベルでもすぐ通用するボールだと思いますね。2ストライクからの縦スラのキレと落ち幅、あれは脱帽ですね」と湯田の投球をたたえた。

