日大三(西東京)が鳥栖工(佐賀)との接戦を制し、4強入りした18年以来5年ぶりの16強入りを決めた。

1-1で迎えた6回1死二塁、森山太陽内野手(3年)が初球を捉え中堅への二塁打とし、1点を勝ち越し。中3で立てた「甲子園で恩返し」の目標を有言実行。頼れる副将が、攻守でチームをけん引する。

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5回の円陣、中心には森山がいた。「焦らず1人1人出て、1点ずつ行こう!」。自分にも、言い聞かせた。

1-1のまま迎えた6回1死二塁、打席が回ってきた。「初球からいこう」と決めていた通り、118キロ外角低めのスライダーをバットの先で中前へ運んだ。バウンドして中堅手の頭上を越えた隙に二塁へ。大喜びするベンチを見て、うれしくなった。仲間に言った通りの適時打。「1本打てて、チームに勢いを付けることができてよかったです」。三木有造監督(49)は「ここ4日間の練習で、一番調子が良かった。いいところで打ってくれた」と話した。

感謝の思いを乗せたヒットだった。大阪の出身。親元を離れ、日大三への進学を決めて迎えた中学の卒業式。親への感謝を書くA4の紙に「甲子園で恩返し」と記した。2年半がたち、聖地で目いっぱいのプレー。母・真衣さん(43)は「それをよく思い出しますね。有言実行してくれました」と明かす。地元が近い甲子園には、両親だけでなく友人や知り合いも応援に駆けつけていた。森山は「みんなのパワーがあるのかな、と思います」と言う。

目指しているのはNO・1の遊撃手。守備の際は、キャメル色のグラブが相棒だ。今年春、退任した小倉全由前監督(66)から二宮主将と副将の森山にとプレゼントしてもらった宝物。手のひら部分に「NO・1ショート」と刺しゅうを入れた。それを見ると「お前はNO・1ショートだ」といつも言ってくれていた小倉前監督の顔が浮かぶ。

この日は3回1死でゴロをはじき、1失策。「大丈夫」とベンチで励ましてくれた安田を、バットで助けた。「次は守備からチームを引っ張っていきたいです」。次も有言実行する。【保坂恭子】

▽日大三・小倉前監督 勝ててホッとしています。相手投手の真っすぐを振らされていましたね。真っすぐに負けないスイングをしないとね。安田が好投しているだけに攻撃が点をとってやらないと。次の試合も期待したいですね。

○…二宮主将が初戦から7打席連続安打と絶好調だ。初戦で2打席目から3連打。2回戦は初回に同点適時打を放つなど、5打数4安打1打点。初戦の後、小倉前監督から「お前はパワーがあるんだから、引きつけて打っていけ」とアドバイスをもらい、練習した。「結果につながってよかった。この球場でやらせていただいて、本当に楽しい。1試合でも多く仲間と野球をしたい」と話した。