秋田北鷹が延長11回タイブレークの末、能代松陽に2-1で競り勝った。佐藤凪投手(2年)が再三のピンチを切り抜け、1失点完投で初の4強入りに導いた。秋田修英は同10回タイブレークの末、大館桂桜に7-6でサヨナラ勝ちした。

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佐藤の力投が、能代松陽のV3を阻止した。変化球中心に組み立て、走者を背負ってもあと1本を許さなかった。「今日は絶対に点数をやりたくなくて、どんな場面でも絶対に自分が抑える思いで投げた」。0-0のまま延長に入り、11回無死満塁、石田誉稀外野手(1年)の2点中前適時打で先制。同裏は内野ゴロの間に1失点したが、2死一、二塁から三ゴロで試合終了。今春センバツ出場校を破り、佐藤は「本当にうれしい気持ちでいっぱい」と高く跳び上がって喜んだ。

今夏はエースナンバーを背負うも初戦敗退。大会後は「自分がエースにならないといけない」と意識も変わった。走り込みや自主練習のウエートトレーニングに取り組み、食事面はジュースやお菓子をあまり口に入れず、白米と納豆をたくさん食べた。体重は3キロ増え、3試合連続の1点差勝利に貢献。この日の結果に「誰よりも練習した成果が出たかな」と笑った。

初の4強入りで地元開催の東北大会初出場も見えてきた。準決勝は金足農戦。「球が速くていい投手がそろっている。接戦になると予想しているので、今日みたいな試合ができたら」。苦しい状況でも粘投し、新たな歴史を刻んでみせる。【相沢孔志】

○…秋田修英が劇的勝利で5年ぶりの4強入りだ。9回2死二塁から3連打で同点に追いつき、10回表無死一、二塁を無失点。同裏1死満塁、佐藤輝空(そら)主将(2年)はスライダーに体勢を崩されたが意地の投安打。「ひたむきに泥臭くを目標としてやっていたので、最後は泥臭い打球だった」と振り返った。準決勝はノースアジア大明桜と激突する。「自分たちはチャレンジャーとして、できることをやって勝ちたい」と気を引き締めた。