日本文理が、秋は5年ぶり15度目の優勝を果たした。秋季大会の決勝では最多得点となる24得点を奪い、帝京長岡に24-15で勝利した。1回表の1番・本田愁聖中堅手(2年)の先頭打者本塁打を皮切りに、先発全員安打26安打の猛攻で優勝をつかみ取った。北信越大会は10月14日から福井県で行われる。
いきなり試合が動いた。1回表。1番打者の本田が「甘いボールは逃さずに」とカウント3-1から内角に来た直球に反応。左翼スタンドへ先頭打者本塁打をたたき込んだ。この一打で打線に火が付いた。3回までに先発全員の14安打で10得点。その後も攻撃の手は緩めず、6回には打者一巡の猛攻で7点を奪い、22-1と最大21点のリードをつけた。終盤こそ帝京長岡の反撃を許したが、最終的には26安打24得点と圧倒した。
今夏8強入りの5校もそろう激戦ブロックを勝ち上がっての秋制覇。主将の野口壱矢右翼手(2年)は「8月31日の抽選日から『全部倒して行こうや』と話していた。あのブロックだったからこそ、チームがまとまれたし、勝ち上がれたと思う」と試合を重ねるごとに成長していくチームに手応えを感じていた。鈴木崇監督(43)も「選手も(組み合わせが)決まった時からいい顔をしていたし、準備も出来ていた。一番、張り合いになったと思う」と大会を振り返った。
秋は5年ぶり県制覇で、昨夏以来の優勝旗を手にした。県王者を“奪還”し、県1位で北信越大会に乗り込む。野口主将は「新チームになった時から、まずは神宮に行くことを目標にやってきた。そのために夏休みを乗り越えてきた。北信越もやることは変わらず、全員野球でいい試合をしたい」。北信越大会を勝ち抜いた先に神宮大会、そしてチームとしても、県勢としても14年を最後に遠ざかるセンバツ出場が見えてくる。【大島享也】
【帝京長岡】92年以来31年ぶりの秋制覇はならなかった。芝草宇宙監督(54)は「前半にミスがあり、そこから流れを止めることができなかった」。26安打を許すと同時に6失策も。堅守のチームらしくないミスが響いた。一方で5回からは毎回得点で15点を返す意地をみせた。副主将で4番打者の茨木佑太(2年)は「あきらめたら終わり。1点でも多く取るためにつないでいこうとみんなで話した」。北信越大会に向けて「自分たちは甲子園を目指している。優勝できるように、この悔しさをぶつける」と前を向いた。