福島大会決勝は聖光学院が光南を9-2で下し、3年連続17度目の優勝。9回無死満塁で深谷凜太朗外野手(2年)が走者一掃の適時二塁打を放つなど、計13安打の猛攻で圧勝した。3位決定戦は学法石川が東日本国際大昌平を4-3で下し、東北大会出場を決めた。

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聖光学院きっての仕事人だ! 背番号「7」を背負う深谷は今大会、代打での出場が多く、左翼手には沼田倖汰外野手(1年)がスタメンとして出場。それでも「沼田に全てを託して、自分は勝つための仕事をする」と、ベンチから投手を分析。また、「いつでも自分のベストな状態で出られるように」と準備も怠らない。この試合も代打で途中出場し、2本の二塁打を放ち3打点の活躍。さらに、本職の左翼手だけではなく、捕手、一塁手もこなす。左翼手として出場した際には捕手ならではの知識を生かし、ポジショニングの指示や投手へのアドバイスを欠かさずに行っている。マルチタスクの仕事人が聖光学院を支えている。

地元を離れ、甲子園の夢をかなえる。深谷は中学時代、今夏の甲子園に出場した杉山由朗捕手(3年)と同じ「愛知名港ボーイズ」でプレー。「甲子園を目指すと同時に、ここ(聖光学院)であれば悔いのない3年間を送れると思った」と聖光学院に進学。入学して約1年半、ここまでを振り返り「まだまだ未熟。悔いを残さないためにも1日1日をやりきる」と、伝統校の名前を背負い、東北大会を勝ち抜いてのセンバツ出場を誓った。【木村有優】

 

学法石川 1日から「ヨークいわきスタジアム」に生まれ変わった場内が、この日1番の歓声に包まれた。3-3の同点で迎えた9回裏2死一、二塁、緊迫の場面で打席に立った岸波璃空内野手(2年)は、チームテーマでもある「ビリーブ」という言葉を思い出した。「みんなを信じてとにかくつなごうと思った」。打撃不振に悩む中での打席だったが、4球目のカーブを捉えた当たりは中堅手の頭上を越えるサヨナラ打。ナインが一斉にベンチを飛び出し、勝利を喜び合った。今夏甲子園予選では決勝で聖光学院に敗れ、悔し涙をのんだ。再戦となった今大会準決勝も20人全員出場の総力戦で挑んだが、3-7で敗れ、リベンジならず。岸波は「東北大会が決まったので、今度こそ(聖光学院を)倒します」と三度目の正直を誓った。