金足農(秋田1位)が、久慈(岩手2位)を延長10回タイブレークの末、3-2で下し、18年ぶりに8強へ進出した。

2-2で迎えた10回、押し出し四球で勝ち越し。2番手で登板の吉田大輝投手(1年)が、7回をわずか1安打に抑える好投でチームを勝利に導いた。鶴岡東(山形1位)。弘前学院聖愛(青森3位)を7-5で退け、2年連続8強入り。10回、小林優星内野手(2年)の適時二塁打などで勝ち越した。八戸学院光星(青森2位)は仙台一(宮城3位)を5-2で下し、5年ぶりに8強入り。背番号「11」の左腕・森田智晴(2年)が7回2失点と好投した。準々決勝は19日、県内2会場で行われる。

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「っしゃー!」。エース吉田大の力強い声が、一球ごとに球場内に響き渡った。地元の金足農へ声援を送ろうと、平日にもかかわらず、球場は多くの観客であふれかえった。2点を追う4回、投手交代を告げる「吉田大輝」のコールに球場は湧き上がった。兄は同校OBの日本ハム吉田輝星投手(22)。1年生ながら兄と同じ背番号1を背負い、東北大会のマウンドに立った。吉田は「応援の力が自分の力になった」と感謝した。

延長10回タイブレークの激闘の末、1点差を守り切った吉田大は勝利の瞬間、右手を高く突き上げて雄たけび。最終回のマウンドを「人生で一番緊張した」と振り返った。勝利の校歌斉唱では、18年夏の甲子園準優勝時に話題となった体を大きくのけぞらせて歌う「全力校歌」で喜びをかみしめた。吉田大は「バックスクリーンを見て歌う校歌は気持ちよかった。次は甲子園の舞台で歌いたい」と聖地での全力校歌を目指し、今日19日、学法石川(福島)と対戦する。

「吉田大輝」を見せていく。18年夏に巻き起こした「カナノウ旋風」で一躍時の人となった兄輝星。弟大輝も中学から「吉田輝星の弟」と周りから期待の目で見られることが多く、それがプレッシャーになっていた。それでも「(プレッシャーに)負けていたら投手はできない」と大きな覚悟を持って金足農へ入学した。「自分は自分なので気にせずに自分の投球をしたい」と、「吉田大輝」としての新たな物語をつくりあげていく。【木村有優】

 

○…3回途中からマウンドに上がった鶴岡東のエース桜井椿稀投手(2年)が、7回1/3を5安打2失点、12奪三振の好投。だが、打線も弘前学院聖愛のエース吹田志道投手(2年)の前に沈黙。6回以降、スコアボードには0が並び、タイブレークへもつれこんだ。

10回表、桜井の二ゴロの間に1点を挙げ、なおも2死三塁のチャンス。小林は好投の桜井に「自分が打ってあげよう」と適時二塁打を放ち、大きな援護点をプレゼント。2点リードで迎えた10回裏、足をつるアクシデントがあったものの桜井は、エースの貫禄で三者連続三振でゲームセット。19日の準々決勝では青森山田と4年ぶりの4強をかけ対戦する。小林は「自分たちの野球をやるだけ。先を見ずに1戦1戦戦っていきたい」と意気込んだ。

 

○…八戸学院光星の背番号「11」左腕・森田が今春の東北大会1回戦の再戦に臨み、コールド負けのリベンジに燃えた公立校を退けた。チームメートが1回から4イニング連続得点で5点を先取したことで、「ランナーを出しても『最少失点』という気持ちになれた」。冷静にマウンドから力強い直球を軸に投げ込み、4回から3イニングは3者凡退に抑えた。

5点リードの7回1死一、二塁から2点適時二塁打で3点差とされたが、同2死二塁で伝令が送られた際に野手から「いい球がいってるから頑張れ」と激励された。四球で2死一、二塁とピンチを広げたものの、最後は一ゴロで切り抜けた。来春センバツを懸けた大事な大会の初戦で7回111球を投げ、3安打9奪三振2失点。仲井宗基監督(53)は「しっかり投げてくれたと思うので、合格点をあげたい」と評価した。