クラークの最速142キロ右腕・辻田丞(じょう)投手(2年)が、チームを3年ぶりの4強に導いた。同点の9回裏1死走者なし3ボール1ストライクから3番手で登板。延長10回タイブレークまでの5人を無安打無失点に抑える好リリーフを見せた。

中途半端なカウントでマウンドに上がった辻田の頭には、昨年のWBC決勝の米国戦で9回に登板した侍ジャパン大谷(ドジャース)の姿が浮かんでいた。「背番号も17ですし、大谷選手になったつもりでした」(辻田)。最初の打者は四球で歩かせたが、後続をに安打を許さず、10回表の勝ち越しにつなげた。

10回裏の1人目の右打者は、外角ギリギリいっぱいにスライダーを投げ込み、見逃し三振。この時の投球イメージも、大谷がトラウト(米国)を打ち取る場面だった。「自分は途中から投げるのが向いていると思います。次の試合も、しっかり準備して出番を待ちます」と力強く言った。

22年のセンバツ甲子園に出場した兄旭輝(あさひ)投手(20=亜大)の勇姿に憧れ、同じクラークに入学した。練習試合、公式戦を問わず、登板のたびに母が辻田の投球動画を兄に送信。東京の兄から遠隔でアドバイスを受けてきた。「最近も『下半身があまり使えていない』と言われたので、修正して大会に臨んだ」という。

この日は、自己最速に1キロまで迫る141キロを球場のスピード表示に刻んだ。2年秋の大会で初めて140キロに届いた兄を、半年前の時点で早くも超えた。佐々木啓司監督(68)は「兄より度胸がある。兄貴より腕が振れるし、ちょっと違う器だね」と2年生クローザーを絶賛した。