高校野球秋田大会2回戦で、金足農のエース吉田大輝(2年)が、10回2失点11奪三振の好投で、ライバルの第1シード・ノースアジア大明桜に勝利した。オリックスの兄輝星がエースだった2018年以来6年ぶりの甲子園に向けて、好スタートを切った。

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吉田がマウンド上で噴き出した。1点リードの延長10回裏2死二、三塁。1打サヨナラ負けのピンチに、伝令の太田条治(3年)がマウンドに走ってきた。「気持ちだぞ、気持ち!」。モノマネ付きで中泉一豊監督からの指示を伝えられ、ナインは大爆笑。余裕ある表情で次打者を三振に打ち取り、ライバル、ノースアジア大明桜に勝利した。

吉田は「やっぱ明桜戦は一層燃えるし、絶対負けねえぞって気持ちはチーム全体にありました」と振り返った。昨秋は秋田大会で優勝するも、春は初戦で大館鳳鳴に敗れた。吉田が一塁へのベースカバーに遅れるミスもあり、以後の3カ月は細部を徹底した。「ノックとかで少しでも早くベースカバーに早く入るよう意識したり、ピッチングでは高低の投げ分けを考えました」。

技術だけではない。マウンド上での笑顔、チームメートに声をかける姿は、春から変わった面である。「春は納得いかないピッチングをして、ちょっと下を向いてしまいチームの流れを悪くしていた。だから、どんなことがあっても下を向かず、逆に笑いながら『打ってみろよ!』という感じで打者に向かっています」。同点に追い付かれた7回裏も、延長のピンチでも、吉田の表情がチームに余裕を生み出した。

中泉監督は「春に初戦負けして、ゼロから再スタートした。明桜さんを意識してやってきたので、勝てたことは素直に喜びたいが、この先も1戦1戦、気を引き締めて戦っていきたい」と話した。18年以来となる金足農旋風が、少しずつ吹き始めている。【特別編集委員・飯島智則】

▼ノースアジア大明桜 今春王者は7回に同点に追い付く粘りを見せたが、あと1歩が及ばなかった。吉田の印象について、輿石重弘監督は「データよりよかったですね。春はスライダーが多かったのですが、今日は直球が走っていて打ちあぐねてしまいました」と振り返った。第1シードで初戦敗退ながら「3年生は最後までよく頑張ってくれた」と選手をたたえていた。

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