“キン肉マン”の打棒が、いきなり火を吹いた。聖望学園(埼玉)の4番・中村アラシュ外野手(3年)が、チームNO・1のパワーを発揮。豪快な満塁弾を含む2安打6打点の大爆発で、チームを2年ぶりの初戦突破に導いた。

破壊音とともに、球場に稲妻が走った。1回無死満塁。「甘い球が来たら初球から行ってやろう」と、高めに浮いた変化球を振り抜いた。「思い切り振った感じではない」と軽く振ったが、打球は弾丸ライナーで左翼席へ突き刺さった。夏初打席の初球を捉え、ド派手なアーチを描いた。

「捉えたら全部本塁打にできる体」を目指し、冬場に取り組んだ肉体改造が実った。「秋までは線が細く、捉えても本塁打があまり出なかった。冬はフィジカル強化に重点を置いた」。練習日は毎日ウエートを行い、休日も地元所沢にある市民体育館のジムで体を鍛えた。春になると体重は20キロ増えて103キロに。ベンチプレスは最高で125キロ、スクワットも220キロを誇る“キン肉マン”になった。

憧れはドジャースの大谷翔平投手(30)だ。「毎朝、本塁打の映像を見ている。あのフルスイングは魅力的だし、自分も大谷選手のようになりたい」と、手本にする。この日は持ち前のフルスイングがさく裂。4回にも痛烈な適時打を放ち、4番の仕事を全うした。浮中久生監督(49)は「中村の1発がチーム全員に勇気を与えた」。14得点中、6点を荒稼ぎした主砲は「もっと本塁打を打ちたい」と燃える。自慢の“筋肉パワー”でアーチを量産し、聖地を目指す。【野見山拓樹】

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