「魔曲」の威力は抜群だった。今春センバツに21世紀枠で出場した田辺(和歌山)が死闘を制し、サヨナラ勝ちで10年ぶりの8強入りを果たした。8-8の延長10回、無死満塁から9番尾崎大晟内野手(2年)が一塁線のギリギリ内側に止まる絶妙なセーフティースクイズを決め、三塁走者が本塁へ生還。壮絶な打ち合いに終止符を打ち、田辺ナインが歓喜に沸いた。

逆転に次ぐ逆転勝利を後押ししたのが、同校が誇るチャンステーマ「田辺が大将」だった。3点差をひっくり返した4回、土壇場で追いついた9回、そして延長10回のサヨナラ時も、三塁側スタンドから何度も「田辺が大将!!」の大合唱が球場に響き渡った。同応援歌は俳優の武田鉄矢率いる海援隊のヒット曲「あんたが大将」の替え歌だ。応援団の葺石浩恭(ふきいし・ひろやす)顧問(45)は「僕のさじ加減で、勝負どころで入れるようにしています」と明かした。

主将の山本結翔(ゆいと)内野手(3年)は「あれ(田辺が大将)を聞いたら勇気と元気をもらえる。とても力になりました」と感謝した。智弁和歌山の「ジョックロック」にも負けない「魔曲」の後押しを受けながら、29年ぶりの夏の甲子園まで駆け上がる。【古財稜明】

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