試合が終わった瞬間、スタンドにいた上尾・伊藤蓮也(3年)の目から涙があふれた。難病と闘ったつらい思い出や、最高の仲間との楽しかった思い出が一気にこみ上げた。

1年秋、体調に異変が生じた。腹痛が何日も続き、血便が出ることもあった。異変は自覚していたが、無理をして野球に打ち込んだ。しかし、日を追うごとに腹痛は悪化。冬にようやく病院に行くと「潰瘍性大腸炎」と診断された。オリックス安達や中日田中幹らも抱える難病だった。

影響は大きかった。学校に行けない日も増え、今年3月には入院するほど悪化。体力が落ち、野球ができなくなった。「上尾で野球をするために入学したのに、何で自分が」。チームの力になれない無力感から、1人で泣いた。

それでも野球部員として最後までやりきろうと決めた。「打撃動画を撮ったりティー打撃の手伝いをしたり、みんなが夏に勝てるように」と、やれることには進んで取り組んだ。

チームは惜敗だった。2年半でグラウンドに立てた期間は短かったが「最後にみんなと同じ場所にいられて幸せでした。ありがとうと伝えたいです」と涙ながらに笑った。【野見山拓樹】

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