<高校野球和歌山大会:智弁和歌山7-0和歌山南陵>◇23日◇3回戦◇和歌山市紀三井寺
3年生10人で再びレゲエ曲調の新校歌を大合唱することはできなかった。渡辺主将の「甲子園でもこの校歌を歌いたい」という目標は、志半ばで断たれた。「悔しい気持ちが一番なんですけど、やっぱり2年半頑張って、全部出し切れたかな」。最後に胸を張った。
“大人の事情”に振り回された高校生活だった。和歌山南陵は経営難などが理由で新規生徒の募集を停止中。全校生徒は3年生のみで、野球部10人、バスケットボール部6人、吹奏楽部2人の18人。当初同学年は48人いたが、大半が転校するなどして去って行った。
昨秋から今春にかけてグラウンドの照明が故障し、夜間練習を行えず。同期間中は打撃マシンも壊れ使用できない中、日々試行錯誤を重ねて練習に励んだ。4月から経営体制が一新され、環境が改善。渡辺は「(理事長の)甲斐さんもめっちゃ頑張ってくださったり、大人の力がなかったらここまでこれなかった。めちゃくちゃ感謝してます」。
同校は現校名を残して、来春の新入生受け入れ再開へ向けて準備を進めている。渡辺は「10人でも楽しく全力でできる。全力で笑顔で頑張ってほしい」と未来の後輩たちへエールを届けた。【古財稜明】

