春夏通じて甲子園初出場の新潟産大付が、花咲徳栄(埼玉)に2-1で逆転勝ちし初陣を飾った。
0-1の6回に7番千野虹輝外野手(3年)が同点二塁打、1-1の7回には4番多田大樹内野手(3年)が決勝適時打を放った。守っては無失策で、聖地でも守備からリズムを作るというチームスタイルで17年日本文理以来の新潟県勢初戦突破を果たした。初出場初勝利は84年に8強入りした新潟南以来40年ぶりとなった。
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全員が思いっきり喜びを爆発させた。9回2死、吉野公浩監督(57)も中堅にフライが上がった瞬間、右拳を高々と突き上げた。「夢の中にいるといいますか、大観衆の中で甲子園の勝利ってこんなにすごいもんだな」。春夏通じて初出場でつかんだ勝利。県勢として7年ぶり、令和になってから初の勝利で、新潟に新たな風を吹かせた。
「5回まで2点ビハインドOK」(吉野監督)。2回に中犠飛で先制点を与えても、動じなかった。0-1の6回2死三塁、7番千野が左中間へ同点二塁打。7回2死三塁では4番多田が、決勝の左前適時打を放った。多田は「自分は勝負強さを売りにしているので、絶対打ってやろうと思ってた」と、大舞台でも力を発揮した。
投げては、先発のエース宮田塁翔投手(3年)が5回1失点でしのぎ、6回からは田中拓朗投手(3年)がマウンドを引き継いで4回無失点。新潟産大付の必勝継投パターンで花咲徳栄の強力打線を封じた。磨いてきた守備でも無失策。守備からリズムを作り、中盤から終盤にかけて勝負を仕掛ける得意の形で、勝利をもぎ取った。吉野監督は「甲子園でノーエラーなんて100点満点です」とたたえた。
甲子園でも前評判など気にしなかった。相手はプロ注目の石塚裕星内野手(3年)を擁し、優勝候補にも名を連ねる強豪。それでも、主将の平野翔太内野手(3年)は「勝つことだけを信じて」と臆することはなかった。新潟明訓、日本文理、中越、帝京長岡と新潟大会でも強豪校を倒してきた勢いが、本物であることを証明した。
吉野監督は試合前、「思いっきり喜びを爆発させよう!」とナインに伝え、送り出した。安打を放てば塁上でガッツポーズし、勝利を決めた時は、優勝したかのように抱き合って喜んだ。2回戦(14日)の相手は春の近畿王者、京都国際に決まった。多田が「新潟の歴史をもっと変えていきたい」と宣言すれば、平野は「立ち向かって行きたい」と言った。甲子園でも新潟産大付の快進撃は止まらない。【大島享也】
○…長坂陽(ひなた)コーチ(23)が令和初勝利に満面の笑みを見せた。令和初年の19年に日本文理主将の遊撃手として甲子園に立ったが、初戦で関東第一に敗れた。「俺が流れを作ってしまった」と責任を感じていた。アルプススタンドの最前線で選手と一緒に応援し「いつかどこかが勝つとは思ってたけど、うちが勝ててよかった。本当にすごいの一言です」と興奮気味に話した。
○…約1300人の大応援団がナインを後押しした。ブラスバンドでは柏崎、柏崎常盤、柏崎総合の3校の吹奏楽部員計32人が応援に駆けつけ、38人の柏崎市吹奏楽団も加わった。選手との応援練習は計3回だけだったが、15曲中10曲が新曲。初戦までの短い期間で、息の合った応援を披露した。応援団長の松田観内野手(3年)は「めちゃめちゃ応援に来てくれて自分もすごいうれしい。(応援は)めっちゃいい感じにできてる」とうなずいた。
◆無失策試合 新潟産大付-花咲徳栄戦で記録。今大会初。

