<全国高校野球選手権:岡山学芸館1-0聖カタリナ学園>◇10日◇1回戦

ラストワンプレーに高校野球生活の全てを詰め込んだ。9回2死、4番河野の打球は二塁方向へと転がった。「最後までキャプテンの仕事をする」と全力疾走で一塁へ頭から滑り込んだ。最後の打者となり、一塁側ベンチ前で岡山学芸館の校歌を聞きながら、背番号3は大粒の涙を流した。

どん底からの始まりだった。河野嵐が入学した直後の22年5月下旬、1、2年生の複数の部員が関わる寮内での暴力行為が発覚し、同年夏の愛媛大会と秋季愛媛県大会に1、2年生部員の出場不可の処分が下された。秋ごろまで部活動の制限があったといい、河野は愛媛・愛南町の実家に帰省し、自主トレを続けていた。

周囲から厳しい目が向けられる中、23年3月に就任した浮田宏行監督(53)を中心に、チームを再建した。「野球人の前に、高校生として世間から認められよう」。選手が主体となって考え、ごみ拾いや能登半島地震への募金活動などのボランティア活動を継続。徐々に信頼を取り戻し、応援されるチームとなった。

そしてつかんだ悲願の夏の甲子園初出場。惜しくも勝利を逃したが「野球ができたことに、保護者の方々、監督、部長、コーチの方々に、本当に感謝したい」。敗れてもなお、背番号3の表情は充実度を物語っていた。【古財稜明】

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