日大三(西東京)が高川学園(山口)を破り、ベスト8一番乗りを果たした。同校の夏8強は7年ぶり9度目。夏の甲子園は31勝目を挙げ同じ東京の帝京を抜き17位タイとなった。

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世界を知る父に背中を押された。先制された初回、その裏すぐに2-1と逆転して2死二、三塁。7番安部翔夢内野手(3年)は「今日は打ち勝つと決めたんだ」と、自分に言い聞かせた。真っすぐを「芯で捉えて振り抜けた」。甲子園初安打となる左越えの2点三塁打。チームはこの回、打者一巡の猛攻で5点を挙げて流れを引き寄せた。

父の言葉を胸に3年間、つらい練習と向き合った。安部の父奈知さん(55)は同校野球部OBで、卒業後アメリカンフットボールに転向。日大、社会人のリクルートでは、大学王者と社会人王者で日本一を決めるライスボウルで5度優勝。日本代表としても、W杯優勝と活躍し、02年にはボブスレー日本代表として冬季五輪にも出場した。

父は今でも甲子園に出場できなかったことを悔やみ、高校で野球を諦めたことを後悔している。「息子には私の夢を託している」と奈知さん。父とは高校入学時に「競技は違っても取り組む姿勢は変わらない。無理だと思って諦めたら終わりだ。つらくてもやり続け、後悔はしない」と約束した。

昨秋、朝5時半からバットスイングを始めた。手の皮がむけ血だらけになってもテーピングを巻き「自分で天井を決めるな」と奮い立たせた。「父の夢だった甲子園で、活躍する姿を見せたかった。次も、自分の役割を果たして、高校野球をやりきりたい」。完全燃焼の夏を誓った。【保坂淑子】

▽日大三・三木有造監督(51)「(新基準の低反発バットで15安打)芯で捉えたら変わらない。逆に重みがあるので飛ぶ。詰まっても、引きつけて芯で捉えられたらいい。力負けしない練習をしてきた」

◆東京勢がアベック8強 関東第一、日大三が8強入り。東京勢が東西2代表となった74年以降、2校の8強は15年(関東第一、早実)以来10年ぶり5度目。95年は今大会と同じように準々決勝で東京対決になり、帝京が8-3で創価に勝った。

◆東京対決 準々決勝で日大三と関東第一が対戦。甲子園の東京勢対決は春夏通算で過去4度あり、72年春は決勝で190センチの「ジャンボ仲根」こと日大桜丘・仲根正広が日大三を5-0で完封し優勝。77年夏は当時の組み合わせ抽選で同地区が考慮されず初戦対決となり、川又米利らの早実が桜美林に4-1で勝利。95年夏は準々決勝で帝京・白木隆之が自らの本塁打などで創価に8-3の完投勝利。この年の帝京は優勝した。10年夏は関東第一が山下幸輝の2ランなどで早実に10-6で打ち勝った。