日刊スポーツ高校野球取材班が今センバツ期間中に紹介できなかった話題を「センバツ こぼれ話」と題して取り上げる。第3回は「岩手から日本一」を目指して自身4度目の甲子園に挑んだ、花巻東(岩手)主将の古城大翔(だいと)内野手(3年)。
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古城は悔しさを胸に秘め、相手の校歌を聞きながらスコアボードを見つめていた。「まだまだ自分たちの力が及ばないということを知ることができました」。初戦で準優勝した智弁学園(奈良)に0-4で敗れた。打線はプロ注目左腕、杉本真滉投手(3年)の前に沈黙。散発3安打に抑えこまれた。「素晴らしい投手を打ち崩せない限りは、自分たちの求める結果には届かないと改めて感じました」と静かに話した。
7カ月ぶりに聖地の土を踏み、2回戦敗退に終わった昨夏の悔しさがフラッシュバックした。古城は大好きな先輩と過ごす夏の終わりに、誰よりも涙を流していた。「たくさん経験させてもらった分、偉大な先輩たちが残してくれた結果を超えて恩返ししたいです」。託された「岩手から日本一」への思いはますます強くなった。
主将として臨んだ4度目の甲子園。「一瞬で終わってしまいましたけど、この取り組みでは勝ち上がれないことを気づかせてくれた大会でした」。改めて勝ち上がることの厳しさを痛感した。
気づけば、夢をかなえるチャンスは最後の夏のみ。「このままでは日本一は程遠いと思います。胸を張って『日本一』と言える取り組みをして、夏に戻ってきたいです」。下は向かない。強打の主将とともに、花巻東が夏への再スタートを切った。【木村有優】

