四谷学院が7-0の8回コールドでつくば秀英を破り、公式戦初勝利を飾った。大手大学受験予備校が手がける通信制高校で、昨年に開校。野球部は今年4月に茨城県高野連に加盟が認められ、1年生15人の部員で公式戦初出場した。
何もかもが初経験だった。試合終了のあいさつ。一礼した四谷学院ナインは、ベンチに戻ろうとした。審判団に校歌があると教えられ、整列し直したほどだった。日本ハムの教育ディレクターだった本村幸雄監督(55)は「約3カ月で何とかここまでゲームができるようになった。選手たちの頑張りもそうですけど、学校の協力、いろんな学校さんにオープン戦をやっていただいた。本当に周りに助けられて感謝しています。選手には100点満点をあげたい」。自主性を尊重するスタイルで、試合中は円陣を組んで指示を出す場面はなかった。
初回、1死一塁から3番小山大地外野手が右中間へ適時先制二塁打。記念すべき初得点を挙げた。小山は早朝4時には起床。寮内にある室内練習場で打撃練習を行って、球場入りしてきた。グラウンド、寮などの設備投資に約10億円を投じたという。小山は「起きてからすぐに練習できる環境はありがたい。その成果が出ました」と感謝した。
小山が4安打3打点の活躍など、打線は10安打で7得点。先発の松本颯志投手が6回を6安打無失点。7回から小野朔太郎投手が無安打に抑え、無失点リレーで封じた。松本投手は「しっかり普段通りの野球ができた。全員で勝ち取った1勝です」。「文武両道」を掲げる同校の門をたたき、甲子園出場と難関大学合格の両立を目指している。
観客席は東京・新宿区からバス1台の応援団と保護者ら約100人で埋まった。学校側が帽子250個、メガホンなど用意。開校、創部を後押した植野治彦理事長(83)もスタンドで応援し、初の校歌が流れ「本当に感動しました。これから新たな歴史が始まる」と勝利の余韻に浸った。松本投手の母・亜沙子さんは「息子は中学時代の偏差値は64、65ほど。本当は中学で野球をやめる予定だったのですが、両立ができるということで入って良かった」と喜んでいた。
一昨年の夏には茨城大会準優勝、昨年はベスト8のつくば秀英を撃破。次は10日にシード校の霞ケ浦と対戦する。本村監督は「勉強だと思って、楽しませます」と若い力に期待していた。

