頼れる主将が試合を決めた。2点リードの2回、2死一、二塁で早実・西村悟志内野手(3年)が左翼越えの3点本塁打を運んだ。「打ったのはスライダー。入らないと思ったんですけど、『越えてくれ』と思って走っていました」と笑顔を見せた。勝負を決めた3点本塁打に和泉実監督(64)も「結果的に、あの1発がなかったら分からなかった。本当によく打ってくれました」と目を細めた。

雨天順延の影響で、初戦は5日から10日に延期。試験期間とも重なる難しい調整を強いられた。和泉監督は「勉強も大変だけど本当によく勝ったと思いますよ」と選手たちを称賛した。西村は「通学時間が往復2時間くらいあるので、その時間に単語を覚えたりして、2年半続けてきた野球に集中したい」と学業との両立に励んできた。

一昨年の甲子園を知る数少ない選手でもある。第106回大会では1年生ながらベンチ入りし、3回戦の大社(島根)戦に途中出場。同点で迎えた9回裏1死二、三塁の絶体絶命の場面では内野5人シフトの一角として投手横を守り、打球をさばいてピンチを切り抜けた。あの夏から2年。今度は主将として最後の夏に挑む。

「僕たちが甲子園に出ないと、一つ下の学年から甲子園を知らない世代になってしまう」。この夏へ懸ける思いは人一倍強い。甲子園を知る主将の一振りが、悲願への第一歩を力強く刻んだ。【田島優大】

◆西村悟志(にしむら・さとし)2008年(平20)10月2日生まれ、愛知県大府市出身。小学2年から野球を始め、中学は東海中央ボーイズでプレー。高校進学と同時に上京。1年夏からベンチ入りし、昨秋から主将を務める。176センチ、S78キロ。右投げ右打ち。

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