第108回全国高校野球選手権大会が5日、甲子園で開幕し、開幕試合は仙台育英(宮城)が3-1で札幌日大(南北海道)に競り勝った。仙台育英は1点リードの4回に4番田山纏(まとい)外野手(3年)が大会第1号となる右越えソロを放ち、貴重な追加点を挙げた。須江航監督は監督通算20勝目に到達し、チームも夏は出場5大会連続の初戦突破を決めた。
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真夏の甲子園に特大アーチを打ち上げた。1点リードで迎えた4回1死。ほえながら打席に入った仙台育英の4番田山に「迷いはなかった」。カウント1-1からスライダーをフルスイングで捉え、右翼中段へ軽々と運んだ。今大会第1号、自身高校通算25号に「開幕戦の第1号、とても気持ちがよかった」。ひとさし指を夜空にかざした。
プロ注目の左のスラッガー。バックネット裏で視察した巨人榑松スカウトは「思い切りもいいし、来たボールに対してほとんどフルスイングできる。その二つが魅力」と高評価した。だが、本人は満足はしていなかった。須江航監督(43)から「次の打席で、逆方向に打てたら本物」とハッパをかけられたあとの2打席は凡退。プロ1本を見据える4番は「全然まだまだアピールできていない。成長してもっとアピールしたい」と闘志に火がついた。
「恩返しの夏」を掲げる。「日本一のチーム内競争」の中、ベンチ入りを外れた3年生や、毎日のようにアドバイスをくれた父の思いも背負い、グラウンドに立つ。須江監督を「胴上げしたい」と夢を描く。「メンバー外の仲間、家族、指導者の方々にも恩返しができる夏に」。周囲の支えも原動力に変えていく。
昨夏1回戦の綾羽(滋賀)-高知中央が甲子園史上最も遅い午後10時46分に終了した試合について「人生最高の夜更かし」と表現した指揮官も満面の笑みだ。「やっぱりそうでしたね(笑い)。試合後、子どもたちに聞いてみたら『夏祭りに行く夜より、よっぽど甲子園のナイターの方が楽しい』と言っていた。彼らのおかげで(最高の夜更かしを)味わうことができました」と充実感を漂わせた。
4年ぶりに大旗の白河越を目指す夏は、会心の夜更かしで好スタート。12日の2回戦は花咲徳栄(埼玉)と激突する。【高橋香奈】
◆田山纏(たやま・まとい)2008年(平20)6月4日生まれ、茨城県出身。小1から鉾田当間スポーツ少年団で野球を始め、小6時に横浜DeNAジュニアに選ばれた。鉾田南中では江戸崎ボーイズでプレーし、全国ベスト4、東日本大会優勝を経験。仙台育英では1年秋にメンバー入り。25年夏の甲子園は「1番右翼」で3試合出場。今夏の宮城大会は打率6割5分1厘。趣味はピアノ演奏。好きな言葉は「心で戦え」。遠投125メートルで投げては最速148キロ。177センチ、85キロ。右投げ左打ち。
◆学校通算40号 仙台育英・田山が甲子園で学校通算40本目の本塁打(春7本、夏33本)。春夏通算の学校別本塁打5傑は(1)大阪桐蔭95本(2)PL学園70本(3)智弁和歌山62本(4)明徳義塾47本(5)天理40本で、天理に並び5傑入りした。
◆仙台育英が夏49勝目 仙台育英が夏の大会で通算49勝目。49勝は(1)中京大中京79勝(2)龍谷大平安61勝(3)松山商60勝に次ぎ、天理に並ぶ4位。史上4校目の50勝に王手をかけ、PL学園の48勝を上回った。
◆須江監督が20勝 仙台育英・須江監督が甲子園通算20勝目(春4勝、夏16勝)。東北勢の監督20勝以上は斎藤智也(聖光学院=31勝)、竹田利秋(東北-仙台育英=30勝)、佐々木順一朗(仙台育英、学法石川=29勝)、仲井宗基(八戸学院光星=29勝)、佐々木洋(花巻東=21勝)の各監督に次いで6人目。

