聖隷クリストファーの田中公隆監督(52)が初めて夏の甲子園で指揮を執ったが、初勝利とはいかなかった。
監督代行として、母校・大阪桐蔭を率いて1勝した04年センバツ以来となる聖地。最速150キロ左腕・エース高部陸投手(3年)が1失点完投したが、打線は6安打無得点と応えられず。終盤には守備のミスも絡んで敗れた。「本当に高部がいいピッチングをしていたが、自分の責任でいい形に持っていけず申し訳ない。選手たちを導いてやれなかった」と背負った。
大阪桐蔭のコーチ、静岡学園と福井工大福井の監督を歴任し、聖隷の副部長に就いた21年。秋の東海大会で準優勝しながら、翌春センバツでまさかの選外となった。
「ストライクが入らなくなったり、選手たちのショックは想像以上だった。生徒たちがどれだけの思いで普段からやっているのか、すごく感じた」。
国会でも取り上げられるなど大きな波紋を呼んだ事態が、自身の指導法を考える一つのきっかけになった。
今春、校長の上村敏正前監督(69)から指揮のバトンを受け継いで約4カ月。0-1の惜敗だったが、寄り添い、共に歩んできた教え子たちと大舞台に立った。「普段やっていることを、この舞台でもっとできるようにしたい」と田中監督。悔しく、苦しい負けを糧に指揮官として挑戦を続ける。【前田和哉】

