点差が開いても、三塁側アルプスからは横浜ナインへ大きな声援が送られ続けた。

応援団を束ねる応援団長の前川美彩(みや)さん(3年)は「自分たちが応援で流れをつかんで引っ張っていくので、選手たちには安心して思い切ったプレーをしてほしい」と声援を送り続けた。

前川さんは、横浜初の女性応援団長。中学時代はバレーボール部に所属し、応援の仕方や声を褒められた。「自分の強みを生かせるところを探したときに、横浜高校の応援団の方々を見て『ここしかない』と思いました」と入学を決意。憧れの応援団で練習を重ねてきた。

練習を重ねる中で、憧れはやがて「応援団長になりたい」という目標に変わった。前例のない女性団長への挑戦に迷いもあった。「女性の自分が団長になれるのかなと思っていた時もありました」。

それでも、応援団長として吹奏楽部や一般の観客を巻き込み、スタンド全体を一つにする先輩の姿を見て決意。「団長になりたいなと思って、そこから必死に練習しました」と目標へ突き進んだ。

3年間で身につけたのは、応援を率いる力だけではない。「すぐ指示を出したり、あとは周りも見なきゃいけないので」。周囲を見ながら声を出し、先頭に立ってチームを動かす経験は前川さんを大きく成長させた。

「人としても大きく成長できたので、入部して良かったなと思います」。最後の夏は準決勝で終わったが、前川さんの声は、最後までナインの背中を押し続けた。

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