<高校野球奈良大会>◇9日◇開会式

 奈良大会が開幕、震災の影響で福島県富岡町から奈良県河合町に避難してきた河合第一中学3年、平山詠二朗君(14)が始球式で登板した。

 平山君は福島県の富岡町立富岡第一中の軟式野球部主将だった。転校後のいまは河合第一中の軟式野球部所属だが、富岡第一中のユニホームを着て登板。左打者の外角をつく1球を投じた。

 始球式を終え、平山君は「緊張せずに思い切って投げられた。ストライクを取れて良かった」と落ち着いた様子。地元への思いを聞かれると「私はここで頑張っているから大丈夫」と語った。

 震災後、自宅が福島第1原発事故の警戒区域内にあったため、平山君は母の実家がある河合町へ家族全員で避難。現在は母と2人暮らしで、父と兄、姉は福島県いわき市で生活している。