春の選抜高校野球大会で2度の初出場優勝を果たした愛媛・済美高監督の上甲正典(じょうこう・まさのり)氏が2日午前9時15分、胆管がんのため愛媛県東温市の病院で死去した。67歳。愛媛県出身。葬儀・告別式は4日午後1時から松山市湊町6の3の5、ムラタホール市駅で。喪主は長女夕美枝(ゆみえ)さん。

 内野手としてプレーした龍谷大を卒業後、薬局を経営しながら母校の愛媛・宇和島東高の監督に就任し、初出場した1988年の選抜大会を制した。2002年に野球部を創部した済美高の監督に就くと、04年春に創部3年目で優勝に導いた。昨春の選抜大会では、安楽智大投手を擁して準優勝した。

 試合の厳しい場面で笑みを絶やさず、高校野球ファンから「上甲スマイル」と親しまれた。米大リーグでも活躍した岩村明憲選手(ヤクルト)のほか、福井優也投手(広島)らを教え子に持つ。

 関係者によると、昨年から症状があり、8月中旬に体調が悪化し入院した。済美高は部内いじめが発覚し、秋季愛媛大会の出場を辞退した。